【フランス語】名詞の前につく冠詞の使い方。名詞を監視?

 

冠詞って何種類もあると聞きました。やっぱりフランス語って英語と比べると難しいと落胆しています。使い分けられる自信がありません。どうすればいいですか?

 

大丈夫!ルールが明確なので1度しっかり身につければ、様々なメリットがありお得ですよ。

 

こんにちは。

キースすずきのフランス語がっこう文法学部へようこそ。

本講座では、フランス語の3種類の冠詞を深掘りしていきます。

本講座を受ければ、どのような名詞にどのような冠詞をつけるべきかが明確になります。

それでは、講座をはじめます。

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フランス語の冠詞はなぜつくのか?

冠詞に続く名詞の性・数など名詞についての補足情報を読み手につたえる重要な役割をしています

いわば、名詞を監視しているのかも知れません、冠詞だけに。

冠詞をつけないと
・単数か複数かわからない(名詞は基本的に単数でも複数でも発音が同じ
・男性名詞か女性名詞かわからない
・特定の何かを指しているのか、総称としてなのかがわからない

ちなみに、英語では冠詞がつかない場合がありますが、フランス語では必ずつきますので、英語のようにつけるべきかつけないべきかで悩む必要はなくなります。

フランス語の冠詞は3種類。定冠詞、不定冠詞、部分冠詞。

フランス語の冠詞は3種類あります。

不定冠詞 

定冠詞のポイントを以下にまとめます。

・英語のa、anと同じ役割。
・数えられる名詞(可算名詞)の不特定のものにつきます。
・複数形の名詞の場合、男性・女性の区別はありません。

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"un"は、男性名詞・単数の前につきます。

"une"は、女性名詞・単数の前につきます。どちらも「ひとつの・ひとりの」という意味になります。

"des"は、複数形の名詞の前につきます。「いくつかの・何人かの」という意味になります。

それぞれの例を見ていきましょう。

 

単数・男性

  • un flim 映画
  • un  animal 動物
  • un chien 犬 
  • un oiseau 鳥
  • un jardin 庭
  • un ticket 切符

単数・女性

  • un croissant クロワッサン
  • un étudiant 男子学生
  • une chambre 部屋
  • une étudiante 女子学生
  • une baguette フランスパン

複数

  • des garçon (何人かの)少年たち
  • des croissants (いくつかの)クロワッサン
  • des baguettes    (いくすかの)フランスパン

 

 

※複数形の場合、男性名詞、女性名詞かどうかは冠詞からは判別できません。
残念ながら、その場合は辞書で確認するしかなくなります。

 

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定冠詞

定冠詞のポイントを以下にまとめます。

・英語のtheと同じ役割。
・基本的に特定のものを指す場合、総称、国名などの固有名詞につきます。
・複数形の名詞の場合、男性・女性の区別はありません。

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"le"は、男性名詞・単数の前につきます。

"la"は、女性名詞・単数の前につきます。

"les"は、複数形の名詞の前につきます。

それぞれの代表的な役割と共に、例を見ていきましょう。

 

聞き手との間ですでに話題にのぼっているもの

  • le garçon (既に太郎君の話をしていて)その少年
  • le croissant  そのクロワッサン
  • la baguette そのフランスパン
  • le couple そのカップル・夫婦

総称(というもの)

  • J’aime la musique. 私は音楽(というもの)が好きです。
  • J’aime les chiens. 私は犬が好きです。(一般的に犬全体が好きという意味)

国名など世界に一つしかないもの

  • le soleil 太陽
  • la lune 月
  • La Terre 地球
  • le Japon 日本
  • les États-Unis アメリカ合衆国

複数

  • les croissants その(いくつかの)クロワッサン
  • les baguettes その(いくつかの)フランスパン
  • les yeux  (その)目
  • les filles (その)少女たち

母音や無音のhがくるとリエゾンする(冠詞から男性か女性かがわからなくなる)

  • l’oridinateur コンピューター【男性名詞】
  • l'hôtel ホテル【男性名詞】
  • l'arbre 木【男性名詞】
  • l'homme 人間【男性名詞】
  • l'étoile 星 【女性名詞】
  • l’Australie  オーストラリア【女性名詞】

 

     

    ※複数形の場合とリエゾンした場合、男性名詞、女性名詞かどうかは冠詞からは判別できません。
    残念ながら、その場合は辞書で確認するしかなくなります。

     

      部分冠詞

      部分冠詞のポイントを以下にまとめます。

      ・英語のsomeと同じ役割。
      数えらないもの(不可算名詞)につきます。
      ・数えられないものにつくので、単数・複数の区別はありません。
      ・「いくらかの」「ある量の」のようなニュアンスになります。
      ・水・お茶・ビールのような液体、パン・肉・お金のような物質、勇気・愛のような概念にもつきます。

       

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      "du"は、男性名詞の前につきます。

      "de la"は、女性名詞の前につきます。

      ”de l’ ”は、母音や無音のhで始まる男性名詞・女性名詞の前につきます。

      それぞれの代表的な役割と共に、例を見ていきましょう。

       

       

      男性名詞

      • du vin ワイン 
      • du lait ミルク
      • du pain パン
      • du café コーヒー
      • du thé 紅茶
      • du riz 米

      女性名詞

      • de la biére ビール
      • de la viande 肉
      • de la glace 氷
      • de la soupe スープ

      概念的なもの

        • du courage 勇気
        • de la patience 忍耐
        • de la joie 喜び

        名詞が母音や無音のhで始まる場合

        • de l’argent お金 【男性名詞】※
        • de l’eau 水【女性名詞】

         

        ※お金などの名詞とリエゾンした場合、男性名詞、女性名詞かどうかは冠詞からは判別できません。
        残念ながら、その場合は辞書で確認するしかなくなります。

         

        dog with crwon

        フランス語の冠詞をスムーズに使えるようにするには?

        ・語学は、「実際使ってなんぼ」です。頭でわかっていても、話したり、書いたりするときにスムーズに出てこないと意味がありません。フランス語の場合は、男性名詞、女性名詞がわかっていないと、スムーズに話せなくなります。男性名詞、女性名詞か迷いながら話しているのはよくありません。名詞を覚えるときに、冠詞と一緒に記憶することをおすすめします。

        フランス語の名詞は、寂しがり屋です。名詞の前に仲間が必ずいます。冠詞がその仲間のリーダーです。他の仲間たちは後日、お伝えします。英語は何もつかない場合もあるので、その点ではつけるかつけないか悩む必要はなく、フランス語の良い点です。

        名詞の複数形については「【フランス語】名詞の複数形の作り方はカンタン!」で詳しく解説しています。

        また、キースすずきのフランス語がっこうでは、この点を詳しく知りたいなどの疑問、フランス語のこんなことについて学びたいなど要望がありましたら、TwitterのDMにて随時お待ちしておりますので、お気軽にご連絡下さい。

        それでは、皆さん、Au revoir!